2024年5月11日(土),ソウル教育大学で開催された2024年度 第149回韓国日本教育学会春季学術大会において,草原和博教授は「人口減少社会における公教育の再構築-内閣府SIP採択事業「デジタル・シティズンシップ・シティ:公共的対話のための学校」-」と題した基調講演を行いました。
韓国は,出生率が世界で最も急激に低下していることで知られます。その課題にいかに応えるかが,喫緊の政策課題にもなっています。
研究開発代表者の草原教授は,東広島市を中心に実施している広域交流型オンライン学習の取組と理念を紹介し,人口の減少地域と増加地域の学校を結んでデジタル公共圏を構築する新たな公教育のシステムを提案しました。人口減少が生じる事態を新たな公教育を創出する機会として捉え,教育の在り方を問い直すことを提起しました。
参加者からは,➀内閣府がポスト・コロナの教育に関心を持つ意味は何か,➁公教育に企業や一般市民が介入することで予期される課題はないか,➂デジタル空間で真の「対話」を成立させることができるのか,➃日本の学校の統廃合はどのような論理と基準で決まるか,➄不登校の課題にこのプロジェクトはどのように寄与できるのか,➅プロジェクトと学習の評価はどのようにして行われているか,などの質問が寄せられ,本取組に対する関心の高さがうかがえました。人口減少と公教育の再構築が,日韓共通の課題であることが確認されました。
EVRIは,引き続きNICEプロジェクトの国際的展開に向けて取り組んでまいります。