授業実践

【広域交流・夏休み特別企画①】「大学の先生や学生と一緒に社会科自由研究をしてみませんか?」第1回を実施しました

2024.08.02

概要

2024年7月31日,東広島市内小学校に在籍している児童3名が参加して,広域交流型オンライン学習夏休み版・発展企画「大学の先生や学生と一緒に社会科自由研究をしてみませんか?」を実施しました。本企画は,東広島市の地域テーマを題材に,3回にわたって子どもたちの夏休みの自由研究を大学教員・大学院生が一緒に探究していく企画です。
第1回目となる今回は,研究の目的や手続きについて理解し,選択したテーマ別に子どもが研究上の「問いづくり」と今後の「研究計画」を立てることを目指しました。

自由研究ってなあに?自由研究は本当に自由なの?

はじめに,主催者の草原教授より,企画の趣旨説明が行われました。3日間のスケジュールや研究テーマ(のんバス,外国人市民)の確認,一緒に研究するメンバーの自己紹介などを行いました。
次に,金准教授より「自由研究ってなあに?自由研究は本当に自由なの?」と題して,研究全般にかかわる考え方や実際の研究の進め方について説明がありました。
説明では,「問いをつくる」→「計画する」→「調べる」→「もっと考える」→「伝える」の順で研究を計画・実施していくとよいこと。一方で,必ずしもそのような順番でうまく進むわけではないため,行きつ戻りつしながら,研究のプロセスを練り直してほしいことが共有されました。

研究スタート:問いを発見する

その後はテーマ別に分かれて,いよいよ研究スタートです。本日は,自由研究に向けた「問い」づくりと今後の「研究計画」づくりを中心に進めていきました。
「のんバス」チームでは,オリジナル「のんバスクイズ」を実施することで,事前学習で学んだ知識を確認したり,そこから浮かびあがった疑問を解消するための調べ学習をさせたりしました。時刻表や運行ルートの資料を読み進める中で,公開情報だけでは答えがわからないオリジナルな研究上の問いを編みだしていました。

「外国人市民」チームでは,東広島市地域学習用デジタルコンテンツ「のん太の学び場」の情報を参照しながら,自分自身が気になるポイントを洗い出し,自分なりの「問い」の発見を目指しました。さらに,外国人市民である金准教授に実際にインタビューをすることで,問いに対する仮説を考えました。

このように,各チームさまざまなアプローチで「問い」を生成し,それに応えるための「計画」が練られていきました。

練り上げられた参加者の「問い」

最終的に,今回の3名の参加者の問いは次のようになりました。どれもとっても興味深い問いですね!

  • 外国人市民①:日本語が全く分からない人が東広島市に来たらどうするのか?
           最初なにに困るのか?
  • のんバス①:のんバスはなぜ広島大学や西条農業高校まで行かないのか?
          そこまで行けば大学生や高校生もたくさん利用するはずなのに・・・
  • のんバス②:なぜのんバスは赤字なのに国や市からお金をもらってまでやり続けるのか?
          朝6時から走ればお客さんが増えるのに・・・もっと値上げしたら儲かるのに・・・
     →二人合わせた共通の問い「のんバスはこのままでよいのか?」

第2回に向けて:研究計画を立てる

「問い」を確定した後は,今後の研究計画を練りました。次回は自らが立てた「問い」に応えるためにフィールドワークやインタビューを実施することが話し合われました。
まとめでは,次回に向けて参加者自身で調べ学習を進めたり、インタビューの練習をしたりしてくること。お悩みや疑問が見つかった際には,Google Classroomで大学の先生にいつでも相談できることが説明され,第1回は終了しました。

さて,みんなの自由研究がどのように進展していくのか・・・。続報をお待ちください!

この授業実践の関係者

のんバスチーム:草原和博,宇ノ木啓太,神田颯
外国人市民チーム:川口広美,金鍾成,三井成宗,川本吉太郎,𠮷田純太郎

この記事を書いた人
SIP staff
三井・川本・宇ノ木・神田

「デジタル・シティズンシップ・シティ:公共的対話のための学校」プロジェクトメンバーである三井・川本・宇ノ木・神田が更新しています! ぜひ、本記事を読んだ感想や疑問・コメントをお寄せください!