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【みなみうら奮闘記2 vol.7】二周目のふりかえりと次回に向けて

2025.05.02

南浦 涼介(広島大学)

Season2も最終回!

さて,第二周目「外国の言葉が上手とは?」もそろそろ終わりだ。

一周目「やさしい日本語のやさしさとは?」のふりかえりがこちらにあるので,比べてみると面白いかもしれない。

一周目の時は正直なところ,授業準備も授業運営も,ほんとうに汗をかきまくっており,その点でまさに「奮闘」そのものだった。二周目はまったくそうでもないかというと,指導案検討も含めて汗をかいていたのは事実だけれど,それでも,少し落ち着いて進めることができたのは間違いない。

授業を成立させる「見えないネットワーク」を感じること

とはいえ,今回のシーズン2でも書いたように,この授業を僕が「落ち着いて」進めることが少しでもできたのならそれは,この事業のスタッフの存在があればこそだと思う。実際,授業に必要な動画の撮影と編集,授業のスライドの細やかな修正,学校現場の先生方との連携,さらに学生のカメラスタッフとの連携,こうした人びとのネットワークの中にこの授業はある。「落ち着いてできる」という状態になったことをもしも僕の成長としてみることができるなら,それは授業力というものというよりは,むしろ,そうしたネットワークの存在を僕自身が見えたからに他ならないだろう。

実はこのように,「授業」を教師個人の力(あるいは教室の子どもたちの力)のように教室内の力量に還元していくのではなく,その授業を成立させているさまざまな人びとの存在,その編み目の法則のような見えないネットワークの存在によって成り立っていると見るのはとても大切なことだと思う。

ましてこの授業では,僕は「教室」の中にいるかといえば,一部分でしか存在していない。その点でも,ネットワークが見えるようにならなければ,僕は授業自体することさえできないのだ……

地域全体で未知を学ぶ・未知に挑む「多文化共生学習」

第一周目と比べて,今回は内容として少し発展させることができた。それは,東広島市の学校の参加が増えたこと(これは,今回のテーマを「外国語」として捉えて参加してくださった学校があったことが大きい),市外の基町小学校の参加があったこと。これによって様々な学校や地域の違いをふまえながら子どもたちが多様な言葉,多様な文化の存在の中で共に生きていくことの視点を得られたことが大きい。

それは,前回の第1周目の振り返りで「社会科的な授業」の延長にあった「やさしい日本語」ではなく,「地域全体で未知を学ぶ・未知に挑む」ことの具体化として,オリジナルの「多文化共生としての広域交流型オンライン学習」へ変化していくきっかけにもなったのではないかと思っている。

来たる第三周目,それを大事にしながら展開していきます! 乞うご期待!

この記事を書いた人
Ryosuke Minamiura
南浦 涼介

2023年の春に広島大学にやってきました。「先生」の仕事は23年目,大学の先生の仕事は14年目,広島大学の先生の仕事は2年目の古米のような新米です。授業や多文化共生の教育の仕事が大好きですが,ラーメンも好きです(最近控え中)。