指導案・教材
概要



2025年2月21日、北海道の先生方による3回目の広域交流型オンライン授業が実施されました。今回の授業は、12月12日に行われた授業からの続きとなります。前回と同様、札幌市立白楊小学校の佐々木悠真教諭、小野優斗教諭が企画され、北海道の3つの小学校6学級(白楊小学校、奥尻小学校、清明小学校)の4年生(137名)が参加しました。「県内の特色ある地域の様子」の国際交流に取り組む町としてニセコ町を取り上げ、現地の役場からの中継で、役場の職員、国際交流員、地元住民の3名にご登場いただき、ニセコ町の現状を直接説明していただいたり、子どもたちからの提案にコメントをいただいたりしました。授業は、佐々木先生が進行されました。

ニセコで困っていることってどんなこと?
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本時は、それぞれ学校でニセコについて学習してきたことを発表することから始めました。2回目の交流ということもあり、子どもたちも慣れた様子でカメラの前に出ていました。その後、クイズの回答をニセコ町役場企画環境課の宮さんに答えていただき、ニセコ町がどんな町なのかを確かめました。また、その中で、観光客増加により困っていることもあることが宮さんから話され、本時の学習課題「国際交流の町、ニセコのことをもっと知ろう ~困っていることもあるのかな?~」が共有されました。
まず、子どもたちから、外国の人は、「日本人とうまく交流できないんじゃないかな?」「日本のルールが分からないんじゃないかな?」などの予想が出された後、国際交流員のリンさんから、バスの乗り方が分からないこと、ニセコではICカードが使えないこと、住んでる人も生活のときのルールが分かっていないこと、日本語ができないため学校でのやりとりが難しいことなどの困りごとを聞きました。
次に、住んでいる日本の人のお困りごとを子どもたちが予想し発表しました。「マナーを守らない外国人がいるのでは?」「日本人は英語ができないから困るのでは?」といった予想が出された後、住民の越湖さんから、以前に比べ非常に外国人が増えていろんな国の文化や遊びを教えてもらえる良さがある一方で、温泉やスーパーなどにたくさんの外国人がいて利用しにくい地元の人もいること、交通ルールを守られていないなどの困りごとが出されました。
困りごとを解決できるように提案しよう
2時間目は、1時間目に共有されたニセコの困りごとを解決する提案を子どもたちが考えました。解決案は、それぞれの学校でグループごとに考え、スプレッドシートに入力し共有されました。外国語の看板やポスターなどを使って交通ルールを分かりやすく説明する、温泉のチケットを買うときに日本のお風呂場でのマナーを説明する、日本人と外国人が交流する時間をもっと増やすなど、137名で考えた提案が提案が大型モニタ上に提示され、各クラスの代表者がイチ押しの提案を発表しました。これらの提案を受け、ニセコ町からは、ニセコ町は景観に気を配っているため看板やポスターを増やすにも制限があること、お風呂場で説明をしようとすると随分時間がかかること、すでに外国人と交流するイベントを実施しているがこれからも気軽にイベントに参加してもらえるように引き続き取り組むなどのコメントをいただきました。
子どもたちが振り返りをワークシートに記入した後、広島大学の草原和博教授が、子どもたちから出された「ごみの分別ができるように、日本人と外国人で一緒にゴミ拾いをする。」という提案を取り上げ、一方的に外国人の人にお願いするのではなくみんなで一緒に取り組みながら交流を深めることを大切であることを話しました。また、たくさんの言葉に対応しようと思ったらピクトグラムを使う方法もあることを紹介し、いろいろな方法で交流を深めていくことが大切であることを話しました。
最後は、ゲスト出演していただいたニセコ町のかたに、みんなで大きな声で「ありがとうございました」とあいさつをし、参加者全員が手を振って授業を終えました。


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北海道広域交流型オンライン授業の意義
この広域交流型オンライン学習を通じて、児童たちは北海道の特色ある地域について深く学び、国際交流の重要性を理解しました。参加校の校長先生からは、「この取組を来年度の4年生の教育課程にも位置付けたい。また、近隣の小中学校にもお声掛けしたい。」「今回のように既に学校現場で組んでいるカリキュラムや副読本の活用にプラスする形で広域交流するならば、現場の教員にとっても負担が少なく参加しやすい。」「子どもたちにとっても中継などリアルな学習を経験できる貴重な機会になった。」といったご感想もいただきました。(当日の様子は、釧路新聞にも取り上げられました。)
NICEプロジェクトも、引き続き、北海道におけるデジタル・シティズンシップ・シティの充実を支援してまいります。
授業実施者:佐々木悠真教諭(札幌市立白楊小学校)
授業参加者:
檜田翔太教諭,宮坂ほのか教諭,佐々木悠真教諭,小野優斗教諭(札幌市立白楊小学校)
佐野留奈教諭(奥尻町立奥尻小学校)
江渡明香教諭,造田哲也教諭(釧路市立清明小学校)
学校技術支援担当(白楊小学校):草原和博、𠮷田純太郎(広島大学)
学校技術支援担当(奥尻小学校):三井成宗(広島大学)
学校技術支援担当(清明小学校):玉井慎也,大戸玲穂,佐々島忠佳(北海道教育大学釧路校)
中継担当(ニセコ町役場):宇ノ木啓太(広島大学)
遠隔サポート:川本吉太郎,神田颯,草原聡美 (広島大学)
「デジタル・シティズンシップ・シティ:公共的対話のための学校」プロジェクトメンバーである三井・川本・宇ノ木・神田が更新しています! ぜひ、本記事を読んだ感想や疑問・コメントをお寄せください!
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